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「3学会合同呼吸療法認定士」とは?受験資格や取得までの流れ、資格取得のメリットなどを解説!

 

3学会合同呼吸療法認定士とは?

3学会合同呼吸療法認定士とは「一般社団法人 日本胸部外科学会」「一般社団法人 日本呼吸器学会」「公益社団法人 日本麻酔科学会」の3学会が合同で創立した認定資格です。

近年、高度医療技術が発展する中で患者の高齢化が進む一方で、呼吸器疾患や合併症を持つ患者は増えてきています。そのため、呼吸療法(人工呼吸器などを用いた療法)は重症管理において重要な治療手段の一つとされています。しかし、各医療施設の共通の悩みとして、呼吸療法に精通した医療要員の不足が挙げられている。そこで、呼吸療法の習熟やレベルの向上を図るなどを目的に創設された資格が、3学会呼吸療法認定士です。対象は、臨床工学士、看護師、准看護師、理学療法士、作業療法士の5職種となっております。

 

3学会合同呼吸療法認定士を取得して得られる知識・業務内容は?

資格取得を通じて、呼吸療法に関する専門知識・技術を学ぶことができます。しかし、資格したからといって、職域を超えた業務はできるわけではありません。呼吸認定療法士に期待されるのは、それぞれの職種の中で呼吸療法の専門知識のレベルの向上を図り、充実したケアの提供に繋げることです。

 

3学会合同呼吸療法認定士の活躍する場所は?

呼吸療法認定士が活かせる場所は、病院や呼吸器内科やICU、救急などの重症患者の呼吸管理が必要となる医療機関が、活躍の場となるでしょう。その他には訪問看護や訪問リハビリテーションなどでも活躍のする人が増えており、介護業界でも活躍の場が広がっています。

重症患者の呼吸器疾患に携わる病院では医師をはじめ看護師や理学療法士、臨床工学士が連携を図る「呼吸ケアサポートチーム(RST)」がります。呼吸療法認定士の資格を持っていると、RSTのようなチームに優先的に配属される可能性が高く、専門性を活かすことができるでしょう。

 

資格を取るには?

受講資格

臨床工学士、看護師、准看護師、理学療法士、作業療法士の5職種の免許のいずれかを保有していること、及びそれぞれ必要な実務経験年数を有していることが条件となります。また、認定委員会が認める学会・講習会の参加によるポイント取得が必要となっております。

 

1.実務経験年数

  • 臨床工学士:実務経験年数2年以上
  • 看護師:実務経験年数2年以上
  • 准看護師:実務経験年数3年以上
  • 理学療法士:実務経験年数2年以上
  • 作業療法士:実務経験年数2年以上

※実務経験は常勤勤務をカウントし、アルバイトの期間は含まれません。

 

2.ポイント取得

受講申し込み時から過去5年以内に、認定委員会が認める学会や講習会などに出席し、12.5点以上の点数を取得している。

 

講習会

第27回認定試験の講習会は下記の2つの受講方法があります。

  1. eラーニングのみ(開催期間:9月5日〜30日、定員:3,000名、受講料:20,000円)
  2. 会場(砂防会館大会議室)+eラーニング(開催期間:8月23日〜24日(eラーニングは上記の通り)、定員:160名、受講料:30,000円)

上記の2つのいずれかで受講完了すると受験申し込み資格が得られます。

 

講習会の受講内容

  1. 血液ガスの解釈
  2. 呼吸機能とその検査方法
  3. 呼吸不全の病態と管理
  4. 呼吸リハビリテーション
  5. 酸素療法
  6. 人工呼吸器の基本構造と保守及び医療ガス
  7. 気道確保と人工呼吸
  8. NPPVとその管理法
  9. 開胸・開腹手術後の肺合併症
  10. 新生児・小児の呼吸管理
  11. 人工呼吸中のモニター
  12. 呼吸不全における全身管理

 

認定試験について

受験資格

  1. 認定講習会受講者
  2. 講習会受講免除者(通常は、過去に認定講習会を受講している場合、受講年度を含めて3年間は認定試験の受験資格が与えられる)

 

日程・会場・受講料

日程:通常は11月ですが、第25回は次の年の7月に、第26回はコロナの影響で12月に延期となりました。

会場:東京都内(第26回は帝京平成大学中野キャンパス)

受講料:10,000円

 

試験内容

認定試験は年に1回下記のような形式で実施されています。

〈スケジュール〉

11:00〜:開場・受付

12:30〜:着席

12:30〜13:00:オリエンテーション

13:00〜15:50(170分):試験(14:00〜15:35:途中退室許可時間)

 

〈出題形式〉

第25回、第26回試験は100問、マークシート方式

※第24回試験までは、午前70問(2時間)、午後70問(2時間)の計170問、マークシート方式でした。

 

基本的には講習会のテキストの内容、普段の業務内容、実務問題などからの出題になります。

合格率は55〜70%となっており、やや難易度の高い試験となっています。

試験要項については、必ず公益財団法人医療機器センターのホームページを確認してください。

 

申請書類について

実施要項及び申請書類はダウンロードのみとなっており、申請書類の作成にはメールアドレス、顔写真付き本人確認書類のコピーが必要です。

申請書類提出は期間中に差し出された『特定記録郵便』のみとなっております。

※第25回試験までは先着順でしたが、コロナの影響で、第26回試験から定員を超過した場合は抽選となっています。ちなみに第25回、第26回試験は定員を超過しませんでした。

詳細は、必ず第27回3学会合同呼吸療法認定士認定講習会及び認定試験についてのホームページを確認してください。

 

3学会合同呼吸認定療法士の資格を取得するメリットとは?

近年の超高齢社会では、重度の呼吸器疾患や合併症の管理の頻度・必要性は増加してきています。医療機関、介護業界ともに呼吸療法の専門知識・技術を持った人材はますます重要となっています。

呼吸療法認定士の知識・技術を役立て、より質の高いケアの提供に繋げていくことが可能となってきます。

また、医療機関、介護業界ともに呼吸療法の重要性に着目する病院や施設にとっては、呼吸療法認定士の資格保有者は非常にほしい人材となります。現在の職場で給与アップに直結しなかったとしても、今後のキャリアアップや転職、自己研鑽のモチベーションに繋がっていきます。

 

問い合わせ

3学会合同呼吸療法認定士認定委員会事務局
〒113-0033 東京都文京区本郷1-28-34 本郷MKビル 2階
公益財団法人 医療機器センター内
Email kokyu-m@jaame.or.jp

 

こちらの記事で、3学会合同呼吸療法認定士試験に2年で合格した際の使用教材を紹介しております!
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